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「………」
覚悟はしていたが、実際に聞くと立っていられないような衝撃を受けた。
遼太くんはそんな私を見て、ため息を付いた。
「…嘘だよ。」
「え?」
「葛西先生が結婚してるかは俺は知らねえ。でも狭い島だし、結婚していたら耳には入ってくると思うよ。だからまだしてないんじゃねえか。」
「…遼太くん…どうしてそんな嘘言ったの?」
「澪さんこそ、葛西先生のこと今でも全然好きじゃねえか。何だよその顔。」
あ……
遼太くんは私の頬を触った。
「澪さん、俺のことはどう思ってる?」
「…え?」
「今日はどういうつもりで俺といたんだ?単なる付き合い?」
「えっそ、それは…」
遼太くんの顔は真剣だった。
「り、遼太くんこそ、この間どうしてキスしたの?か、からかってるの?」
「あれは…澪さんが可愛かったからしたんだ。…嫌だった?」
「嫌もなにも突然だったじゃない。でもその後キスのことは何も言わないから、ワケがわからないよ。」
「…好きだからだよ。」
え?
「り、遼太くん…何言ってるの?」
「何って、キスしたのも買い物に誘ったのも手え繋いだのも好きだからだよ。」
「り、遼太くん、ちょっとおかしいよ。私、九歳も年上なんだよ。遼太くん大学入学したばかりでしょ。もっと周りをよく見て遼太くんにふさわしい…」
「澪さん、うるさい」
遼太くんはそう言って、突然私を自分の方に抱き寄せるとキスをした。
遼太くんの舌がいきなり入ってきた。
彼のキスは情熱的だった。
そんなキスをするのは響くんと以来だったので、クラクラしてすぐには拒めれなかった。
「り、遼太くん…苦し…離して…」
私が顔を背けてやっと言うと、遼太くんはキスはやめたが私を抱きしめたまま言った。
「澪さん…俺のことは好きにはなれねえ?」
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