懐かしい場所

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「俺…今日楽しかったよ。特に遊園地。澪さんは違った?」 「遼太くん、私も楽しかったよ。でも……」 遼太くんは身体を離して私を見つめた。 「遼太くんのこと…そんな風に考えられない…」 「……」 遼太くんは傷付いた顔をした。 「ごめんなさい…」 遼太くんは私の手を引っ張って車の方に歩き出した。 「り、遼太くん?」 「帰ろう。ここだって葛西先生と来たことあるんだろ。」 「………」 やっぱり気付かれてたんだ。 車に乗った。遼太くんはまた私の手を繋いで車を走らせた。 「遼太くん…」私は振りほどこうとしたが力が強くて離せなかった。 遼太くんは駄々っ子のような顔で運転をしていた。 私はため息を付いた。 しばらく走って遼太くんが口を開いた。 「俺、澪さんといると自然体でいれるんだ。それに澪さんは、年上だけど何かほっとけねえっていうか、やたら構いたくなるんだよ。俺、今まで女の人といてそんな風に思ったことはねえし、それって好きなのかなって…」 「………」 私は何て返せば言いかわからなかった。 そこからは無言になった。 私のアパートに着いた。 遼太くんは手を離した。 「こ、ここまで送ってくれてありがとう…お休みなさい。」 「澪さん、LINEとかまたしてもいい?」 遼太くんはすがるように私を見た。 「う、うん、いいよ。」 拒否はできなかった。 「パスタ屋にもまた食べに来てくれる?」 「うん…あの店は美味しいし…」 遼太くんはまた私の顔をじっと見つめた。 「…澪さん、俺のこと好きになれねえのはどうして?やっぱり年齢のこと?」 「…それもあるけど…突然言われて…」 「葛西先生がまだ好きだから?でも、ずっと前に別れたんだろ?」 「…遼太くん…ごめんね。」 「澪さん、返事になってねえよ。」 「………」 私はまた黙ってしまった。 遼太くんはため息を付いた。 「…ごめん、俺、困らせてばっかだな。今日は付き合ってくれてありがとう。お休み。」 「お休みなさい…」 私は遼太くんが納得できる言葉を掛けることが出来ないまま、車を降りてしまったのだった…
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