帰郷

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 僕の部屋は、町を出た時のままだった。ただメイドのメープルさんが欠かさず掃除をしてくれていて綺麗だった。  昼食も終え、ひと通り互いの現状を話したところで、ジェイクがビニールに入った木箱と円筒の缶を取り出した。僕は見覚えがある気がした。 「小学生の最後に、クラスで埋めたタイムカプセルだ」 「ああ。裏庭に」  僕は木箱を手に取った。それは僕が埋めた、からくり箱だった。 「たしか、18才になったら開けるはずじゃ?」  少しずつ記憶が蘇ってきて、僕はジェイクに尋ねた。 「それが、小学校は廃校になってな。今度、取り壊しになるから掘り起こそうってことになって」 「なるほどね。で、その缶が君の?」  からくり箱をいじりながら視線を向けると、ジェイクは首を横に振った。 「それはオリヴァーのだ」 「それって」  僕はからくり箱をいじる手を止めた。 「そう。その中に、オリヴァーからのメッセージが入ってる」
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