凛としたい。 "すき"を突き詰めていった先には

4.ワンモアタイム(2009.February,May)

「あ、あのさ、5月にライブがあるんだけど、友達が休み取れなくて……一緒に行かない？」
「マジで？僕でいいんスか？」
2月、歓送迎会の幹事を任され、会の微細を詰めていきながら気付いた。みっつは辞めてしまうんだな、もう会えなくなってしまうんだな……と。
寂しい……会いたい……。
これってすきなんだろうか？恋愛？友情？正直よくわからない。けど辞めてからも会いたい。それにはどうしたらいいのだろう。

年で一番のビッグイベント、生活発表会が終わり気の抜けた頭で過ごしていて、行事で使ったCDを整頓している時ふと気付いた。

そうだ、私達にはアーティストがすきという共通点があるではないか！それを出汁にプライベートで会う場面を設定しよう。

2人きりかつ誰も邪魔されない場面を考えぬいた結果、二人とも早出で帰る時間が同じ時を狙うことにした。場所は、みっつがチャリ、私がバイク通勤なので駐輪場。園児の出入口とは反対側なので、仮にお迎えの保護者がいても邪魔されることはない。綿密な計画が功を成し、話の切り出しに成功した。

「うん、すきって言ってたし、他に周りにすきな子いないからさー。もう予定入ってる？土曜日なんだけど」
「いや、まだ何も入ってないから大丈夫かな。楽しみにしてるッス」
「良かった。じゃあまた近づいたら連絡するね」

快諾してくれたことにほっとした。これで、とりあえず、4月以降も会える。
新年度は1才児の主担任になり、新入園児の対応に追われる日々だったが、みっつとライブに行くのを励みに頑張った。GW前から、どんな服を着て行こう？何を持って行ったらいいかな？と検討していたら、あっという間に明日が当日というところまで来た。

みっつ。光永流樹。みつながるーじゅ。明日、会う、私のすきな人。