森錠のロックはキーが無くては開かない

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「ねえ、もしも飲まれたら外に出なさいって、どういう意味?」 「ん?」 「昔、オブリオンが言ってたじゃん。忘却に飲まれたら何が何でも外へ出ろって。外ってどういうこと? 忘却族はどこかに閉じ込めるの?」  光る神秘的な生き物が飛び舞う夜。数あるいくつもの部屋を無駄にして、たった一つの部屋の大きなベッドを二人で使う。  寝付きの悪さはいつにも増して酷く、まったく眠れそうにない。僕が眠るまで眠らない彼は当然のように起きていて、僕の髪を指に絡ませて遊んでいた。 「……忘却族が管理する領域の外という意味だ。その外に一歩でも出れば、記憶族には見つける事が可能となる」 「じゃあ、もし僕が捕まったら領域の外に出たらいいんだね。そしたらオブリオンが助けに来てくれるんでしょ?」 「ああ……でも、そんな事は起こさせないから、その言葉はもう忘れなさい」 「え? あんなに忘れるなって言ってたのに?」  嫌な空気を感じ取った。  何かが彼を不機嫌にさせたようだ。余計なことを言ってしまったか、いい加減眠りにつきたくて苛ついたのか、どちらだろう。 「ごめん……」 「他に何か聞きたいことはあるか?」 「じゃあ、オブリオンの友達のことが聞きたいな。精霊さん達が言っていたよ。オブリオンは昔、一人じゃなかった。僕が来るまで誰かがいたって」 「さあ、どうだったかな」 「! 覚えてないの?」
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