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美里「私、シイさんと話したことない。だって……なんか怖いんだもん」
ウラ「あっ。あたしもないわ。なんか、とっつきにくいのよねえ」
リング「よしっ! サジノスケ! シイ君が仲間になってくれなかったら、アンタも入れないから協力して!」
サジノスケ「えぇ~。わかったよ。でも、俺もアイツとは、少ししか話したことないしなぁ……」
思いを寄せるリングから残酷な申し出を受けても、サジノスケはだいぶ物分かりが悪いので、リングの思いを理解していない。
ウラ「でも、もう出発してんじゃないの?」
リング「大丈夫! 絶っっ対にいつもの場所で昼寝してるはずだから」
リングは自信満々に答える。他の三人はいつもの場所が全く分からない。それどころか、彼の行動パターンすら知らない。
リング「そこに行って説得しましょ。もし、駄目だったときは、力ずくで説得して仲間になってもらうのよ!」
リングの提案に他の三人は動揺していた。シイは噂によると、美里と同じ推薦候補性らしい。リング達のような一般参加者は、銀色の紋章が配られている。
反対に、美里のような推薦候補生は金色の紋章が配られていた。シイがその金色の紋章を持っていたのを見たという誰かの目撃談があった。確信はないが、三人はそのことを心配した。
サジノスケ「リ、リ、リ、リングちゃん。あいつはすごく強いから、味方になったときは頼もしいけど、戦ったら、ヤヤヤヤバいよ」
ウラ「わわわ……悪いけど、説得だけにしましょ。戦いは自信ないわ。あたし」
美里「私はきょ、協力するよ……リングちゃん」
サジノスケとウラの膝は笑い、美里の手は震えている。推薦候補生の美里でさえ、彼の実力に怯えている事態だ。
リング「よしっ! じゃ、これから説得に行こーう! ファイトだっ!」
ウラ「なんでそんな明るいのよアンタ。あと、あたしとサジノスケ、乗り気じゃないんだけど……」
リングが半ば強引に美里の手を引き、連行したのでウラとサジノスケはしぶしぶついていく形となった。
ウラ「まずは作戦会議しないと。もしものことがあれば、の話だけど」
美里「ファイト参加前に怪我をするのは避けたいから、攻撃は手加減した方がいいんじゃないかな」
サジノスケ「戦いなんてしたくない……。ヤバそうだったら早く逃げようぜ」
サジノスケだけは最後まで逃げ腰姿勢だったが、作戦会議は続いた。念入りに四人は作戦会議を行い、シイがいるであろう場所へと向かう。
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