花火

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次の日──。 「『現在のような花火は十四世紀後半にイタリアのフィレンツェで始まりました。 すぐに王侯貴族の間で花火は広がり、結婚式や戴冠式などで打ち上げられるようになりました』だってさ。調べればすぐ出てくるじゃないか」 「いやでも念のためということがあるじゃないか。前だって神風について調査したときは台風で起きたものだったじゃないか」 「そんな夢のないこというなよ。子供が見てるんだぞ」 「言語が違うから大丈夫だよ」 彼らは今、フィレンツェに来ていた。そこで花火を見てきたのだが……。 「ほら、『現在のような花火では』って書いてあるじゃないか。昔は違う感じだったのかもよ」 「はいはい、分かったよ」
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