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「いや、俺はお前になんか決められたくないね」
球太のことを分かっていて良かった。球太の言葉で決心が着いた俺は重い足を踏み出した。
「俺はここ入るから!じゃあまたな!」
残り入っていないのは俺たちだけになっていた。つまり2択。俺は球太の提案を破棄して自分の目の前にあった部屋に入った。
「グッドラック!」
そう言い残して、俺は扉を閉めた。部屋の中にあったパソコンの画面には、あと十秒と移されていた。
「……はぁ、っ、はぁ.......」
取り敢えず目に付いたパソコンの前の椅子に腰を下ろす。残りは0秒。俺はあいつの選択肢を無くしてしまった。
……だってあいつは、俺の責任まで背負おうとしていたのが分かったから。俺が人狼になったとしても、俺が部屋を選んだ訳じゃないんだから責任は無いって、そういう事にしたかったんだろ?
「ソウルメイトは一人に背負わせたりなんてしないよ」
俺はカウントが止まったパソコンを前に呟いた。こんな独り言を言うなんて柄でもない。案外俺もこの訳の分からない状況にマイっているのかもしれない。
そんなことを考えていると、カウントが再び動き出した。『役職の表示まで、あと10分』か。これで全てが決まる。いや、人狼になったら問答無用でレイプ犯になるなんてことを信じているわけじゃないが、それでもカウントが進む度心臓は脈打つ。
このままじっと待っていても胃が痛いだけだ。これまでの情報をまとめてみよう。
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