第一日目〜昼〜

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「あ、失礼ながら先程の話は少し聞いていて……あ、すみません。盗み聞きするような趣味は無いのですが自分は……」 球太はニカっと笑って手を差し出した。 「よろしくなァ、刑事サン!」 「あ、そのケイジは自分の名前の方でしょうか……?あ、紛らわしくてすみません……」 刑治さんは困惑しているようだった。まあ起きたら見知らぬ場所に見知らぬ人がいたなんて状況、誰だって混乱するとは思う。にしても言っちゃ悪いが警官としてはちょっと頼りない。 「……あ、いや、その、すみません、自分、警察手帳も持ってなくて、でも、本当にそうなんですよ、えぇと、その……どうしましょう」 「これはまあ、随分と頼りない刑事殿ですねぇ。警察を探してはいましたが、今度は頼れる警察を探さねばならないみたいです。」 横でやり取りを見ていた雪話さんが涼しい顔をして言う。風流な物言いのくせに辛辣だ。刑治さんは申し訳無さそうに俯いた。 「まあ、いいじゃありませんか。刑治さんは俺達の味方です。今はそれだけ分かっていれば十分でしょう」 「いいこと教えてやるよ龍之介サン。そういう時はマグネシウム取るといいらしいぜ。ソースは母ちゃん。ってことで、よろしくな、刑治サン」 球太が半笑いで言う。.......また人の神経を逆撫でするようなことを。 「.......えぇ。丁度気がたっていたもので、有益な情報ありがとう存じます。そこのお方も、」 雪話さんは笑顔を崩さないが、絶対怒ってる。 「……あ、はい、よろしくお願いします」 雪話さんと御廻さんはあんまり相性が良くないみたいだ。そんなことを考えていると、突然スピーカーから爆音が聞こえてきた。 『 ささげよささげ あやしひと うたえようたえ たかきひと すさまじきひと かずならず さるべきひとは いざたまへ 』 .......?どういう意味だろう。童謡のような音楽。しかしどこか不安にさせるメロディ。周りでまだ寝ていた人達もこの音で目を覚ましたみたいだ。誰も彼も混乱している。一体何が起こって…...... 『みなさま、おはようございます』
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