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才商さんの濃いブラウンの瞳がこちらを捉える。なるほど、まあ筋は通ってるわな。
「つまり、あなたは俺と、俺を庇った美坂さんが二人で狼だと言いたいと。そういう事ですか?」
俺は才商さんの視線を正面から受け止めて言った。
「……まあ、そういうコトになるのかな。ジブンを抜いて容疑者は4人。そ
の中に狼は二人いるってワケでしょ?一人ずつ見ていくよりも、ありそうな二人を考えてった方がラクかなって思ったワケよ。どう?名案でしょ?」
彼は単体で狼を探すのではなく、狼同士の庇い合いなどのラインで二人を探していくという考察の軸のようだ。なるほど。筋は通っている様だが……
「なるほど。では次は私ですね」
雪話さん、この5人の中で昨日の発言量、内容は共にトップだった。彼の言葉はいつも議論の流れを変えてきた。さあ、誰を疑う……?
「私は才商さんを」
雪話さんの細めた流し目が才商さんを捉える。才商さんは麗しき知恵者に小さく息を飲んだ。
「……ナルホドね。何故かな」
「正直申しあげますと、今朝の時点では決めかねていました。しかし先程の才商さんの考察で決めましたよ。あれは筋が通っているように見えますが、穴がありました」
穴……?俺が狼という推理は外れてるが、狼のラインという切り口のは結構良かったように思えたんだけど……
「そりゃ、ボクもカンペキじゃないからね。推理に穴くらいあるかもしれない」
才商さんはメガネをかけ直して談笑中かのように言葉尻に笑いをのせた。だが強気な態度とは裏腹に、少し汗をかいているみたいだ。
「いいえ、推理の欠陥による偶発的にできた穴ではありません。明らかに“故意に”できた穴ですよ」
故意に……?どういうことだ
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