第三日〜昼〜

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「つ、次は......僕の番、だよね」  そう言った美坂さんのやや中性的な感じのする綺麗な顔は少し青ざめている。俺と薬師丸さんが疑われる流れになったからか、さっきより少し落ち着いたみたいだが、まだ十分にその顔色の悪さは伺うことが出来た。どうもこの人は人に疑われることとか、或いは疑うこととかが苦手らしい。  「僕は...」  彼の目線は煌びやかなシャンデリアを往復している。  「……や、やっぱ、疑わない...とか、なし……かな」  「ナシだな」  緊張なのか、震えている伺うような声色に、競羽さんが即答した。……こう言っちゃなんだが、今更この人はそんなこと言ってるのか?でもこの発言が楽観的な性格故のものだとは思えない。だってこの人の顔色は、楽観的なんて言葉とは真逆だ。  「そ、そうだよね.....」  そう呟くと、美坂さんは自分に向けられた全員の目線に怖気付いて目を逸らした。この人、昨日まではもっと堂々としてなかったか?こんなに優柔不断な人だったかな......。
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