一人コント

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 夏のある日の夜のこと。その日は天気予報で夜中まで大雨が降り、ところにより雷が落ちると言われていた。しかし私はその言葉を右から左へ受け流していた。  一晩雨が降ったところで何も問題など起こらないと思ったからだ。しかし、その言葉を受け流してしまったことで私はあるしょうもないことをしてしまう。 深夜1時  外はざあざあと雨が降っていたが、私は気にせずぐっすりと眠っていた。雨の音だけが部屋の中に響く。そんなとき、ものすごい音が響き渡る。ドガン、と雷が大きな音をたてて落ちたその瞬間、私は無意識に身体を動かしていた。  半分寝たままベッドから降りようとしたが、足を踏み外してものすごい勢いで転げ落ちる。ドスン、という大きな音が聞こえてようやく私は自分がベッドから転げ落ちたことを理解した。  身体は痛かったがそんなことはどうでもいい、私は大切なものを守るために無意識に動いたのだ。 パソコン!!  そう、今年の4月に買ったばかりで大切な仕事道具のパソコンだ。私は普段から電源コードと優先LANをつけっぱなしにしているため、雷サージが侵入して故障してしまうかもしれないのだ。  正直もう雷は落ちているので今更抜いても仕方がないのだが、寝ぼけている私はそんな考えにも至らずベッドから落ちて痛めた身体を引きずりパソコンの電源コードと優先LANを抜いた。 これでよし。  一人で勝手に慌てて勝手に落ち着いた私は、その後何事もなかったかのようにベッドに戻り眠るのであった。
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