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聖パロチャン教会では、なんでも二刀流のシスターがいる。
夜な夜な夜這い?!
ではなく、悪人の寝室に侵入しては、悪を斬ることで教会内では密かに有名人だった。
そんな彼女が聖女と呼ばれたのは、何故だろうか?
悪人退治もその一環だったのだろうかと考えさせられるのだが。
それは少し違うようだ。
今日もシスターは二本差しで街中を練り歩く。
悪人は、シスターの笑顔でその日の安寧を享受していた。
「ねえ、どこかに暴漢、悪漢はいないかしら?」
道中、一人の顔馴染の情報屋に尋ねると、
「いえいえ! この街にはそんな輩はもういませんよ。何でもみんな遠くへ逃げて行ったようで、それから毎日お祈りをしない人はこの街にはいなくなりましたよ」
震える声で言いだす情報屋は、シスターを怖がっているようだ。
そう、そのシスターはたった一人で笑顔を振り撒き多くの罪を背負って人々を救っているのだ。
なので、街の人たちから聖女と呼ばれた。
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