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「ククルがまーた、ヤムヤムってうるさかったから」
「だからといって、その三百キロの巨体でブツかってこないでくださいよ! 背骨が砕けます!」
「ホント、気にしいだよなあ〜」
つぶらな瞳をつりあげて、ごろんと屋根の上に寝そべる、バベルと呼ばれたモノクロの動物。
彼は、夢を食べる魔獣・バクだ。
魔獣のバクは、動物園でよく見かけるマレーバクよりもずいぶんと大きい。
よゆうでククルを背中に乗せらるほどの大きさがあった。
「お前よくそんなんで、生きてこられたなあ」
「ほ、ほっといてください」
「へいへい」
後ろ脚をあげて返事をするバベルに、ククルはお得意のため息をついた。
「この学校に入学して、一ヶ月。ついに、やってきた初任務です。ああ……ちゃんと悪夢を食べることができるんでしょうか……不安です……」
「なに言ってんだ? ぼくが食べるんだから大丈夫に決まってんじゃんよ~!」
ククルとは反対に、バベルは百万点のお気楽なテンション。
短い手足で寝そべって、ほおづえをついている。
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