1 バッド・ドリーム・デリシャス

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「ククルがまーた、ヤムヤムってうるさかったから」 「だからといって、その三百キロの巨体でブツかってこないでくださいよ! 背骨が砕けます!」 「ホント、気にしいだよなあ〜」  つぶらな瞳をつりあげて、ごろんと屋根の上に寝そべる、バベルと呼ばれたモノクロの動物。  彼は、夢を食べる魔獣・バクだ。  魔獣のバクは、動物園でよく見かけるマレーバクよりもずいぶんと大きい。  よゆうでククルを背中に乗せらるほどの大きさがあった。 「お前よくそんなんで、生きてこられたなあ」 「ほ、ほっといてください」 「へいへい」  後ろ脚をあげて返事をするバベルに、ククルはお得意のため息をついた。 「この学校に入学して、一ヶ月。ついに、やってきた初任務です。ああ……ちゃんと悪夢を食べることができるんでしょうか……不安です……」 「なに言ってんだ? ぼくが食べるんだから大丈夫に決まってんじゃんよ~!」  ククルとは反対に、バベルは百万点のお気楽なテンション。  短い手足で寝そべって、ほおづえをついている。
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