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「そりゃ幼馴染の海斗や誰にでもぐいぐいやる大貴、知らないところで芹香にアプローチして結婚した郁弥に嫉妬した……自分の引っ込み思案な性格を呪ったさ。でもそんな下心もなく芹香の心を掴んで離さなかった成美ちゃんに一番嫉妬してた。いい大人が……ね」 ……。 「あっちに渡って数年後に偶然お店で芹香と会ったんだ。その時に芹香が待ち受けにしてたのも君とのツーショットだったし、君からの手紙を大事にストックしてたし、君へ手紙を書いていたときの表情……あんな顔俺に見せたことなかった。一度も」 芹香さん……。 「俺と再会してなかったら……きっと君のことを……って成美ちゃん?!」 わたしは走った。 「成美!」 幸太の声も聞こえたけどわたしは走った。 芹香さんの元に。 わたしはやっぱり悔しい。 女だから女同士だから芹香さんともう結ばれることはない、諦めていた。 今は柳さんの子供がいる芹香さん。 ずるいよ、ずるい。 柳さんはわたしに嫉妬してるとか言ってたけどわたしはずっと嫉妬するだろう。柳さんのこと。 でも彼女の気持ちは私にある。それは嬉しい。いますがにでも抱きしめたい。 きっとみんな、私に嫉妬するだろう。 なんて優越感なんだろう。 終

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