2.SNSの友達

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2.SNSの友達

卓は、SNSで裏垢として趣味のアカウントがあり、名前をtakuに登録していた。 そこでは、ファンシーショップで買った戦利品やキャラクターとのグリーティングの写真などをアップしていて同じような趣味で繋がる友達がたくさんいた。 その中でも、一番仲が良い友達が、SEAであった。 彼とやりとりしていると、まるで何年も一緒にいたかのように距離が縮まっていくような感覚を抱いていた。 やりとりをしているうちに会ってみたいと思っていた卓だったが、SNSの人と会うのにどうも気が引けていたし、そもそもSEAは、大阪に住んでいたため千葉に住んでいる卓には会う機会がなかった。そんな折、SEAからtaku宛にメッセージが届いた。 SEA takuさんこんにちは。 実は、今度東京の方に用事で行くことになったんで 良かったら会いませんか? taku SEAさんこんにちは! 良いですね!俺も会いたいなと思っていたんです。 SEA 良かった。それじゃあ今月の末にでも会いましょう。 taku 良いですよ!会うの楽しみです! そんなやりとりのなか今日、渋谷のハチ公前に集合ということになっていた。 がしかし… うぅ…人がうじゃうじゃしすぎて目が回るし、ここは一体どこなんだ? 早速迷子になる卓。東京のごちゃごちゃした街中で目を回している所にSEAからメッセージが届いた。 SEA ハチ公前つきました。今どこですか? どこって・・・分かんねぇよ・・・全部同じビルに見えるし…集合場所といえばハチ公前なんだからもっと分かりやすい感じでいてくれよハチ公… とハチ公に愚痴をこぼす卓。とりあえず、目の前の写真を撮ってSEAに送る卓。 taku すいません。道に迷ってしまって写真を送ったんですが ここどの辺かわかりますか? SEAはtakuが送った写真を確認した。 ちょっと待って…takuさん。これ、周りの人の頭しか映ってないんだけど…こういう所が面白くて好きなんだよなぁーtakuさん。 にやつくSEAは写真を見ながら、あることに気づいた。 あれ?この建物見覚えあるぞ。 人のわずかな隙間に見える建物を見てSEAは急いでその場所へと向かった。 一方その頃、卓はというと あぁだめだ。もう無理。東京嫌い…ゴミゴミしてるし。 こんな狭いところにいないで皆もっといい場所あるから散ってくれ・・・千葉とか… いや千葉にこんな人押し寄せてきたら溜まったもんじゃないよ・・・もうずっと東京にいてくれ… などと自分の世界に入りながら近くのベンチに座っていた。 「いた。takuさん。大丈夫ですか?」 「あなたは、もしかしてSEAさんですか…」 卓は上を見上げると、ペットボトルを差し出しながら、背が高い男性が立っていたのだ。 「はじめまして。俺、海斗って言います。海だからSEAって名前ですけど、SEAだと照れくさいんで海斗って呼んでください。あっ…これ…takuさん辛そうだからどうぞ」 うわぁ…めっちゃ爽やかな人…身長めっちゃ高いし、やばっ…ってか、めっちゃいい人なんだけど。 ―心の中がうるさい卓- 「あっ…ありがとうございますっ」 卓は、頭の中を整理するためにもらった飲み物を一気に飲むと、ぷはーっと息を吐きだした。 「あっ…水ありがとうございます!俺は卓って言います。石田 卓。海斗さんは、東京詳しいんですね」 「元々は東京に住んでいたんで。今は転勤して大阪に出張中。あと、海斗で良いですよ!俺も卓って呼ぶので。それに俺らタメなんだしタメ語で全然良いですよ」 うわぁめっちゃ明るい。すげぇ気さく・・・なんか・・・負けてられない!! ―変な対抗意識を燃やす卓- 「そうだね。じゃあ俺も、海斗って呼ぶね。よろしくね」 無理したタメ語を聞いて海斗はぷぷっと鼻で笑った。 「な…なんだよ!」 「いやぁごめんなさい。なんか可愛いなぁって思って!」 「初対面でいきなりそんな恥ずかしいことを…」 卓は顔を赤く染めて下を向いた。 こうして二人の最初の顔合わせが始まったのだった。 次回、海斗と卓の初東京デート!? 67918787-8f06-4c12-9599-5ad30c7568fa
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