私の弟は反・反抗期

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 それを知ってからの日々は楽しくてしょうがなかった。弟は夏休みに入ったらしく、毎日顔を出してくれた。弟と過ごす日々はただ話していただけだったのに、とても楽しくて、嬉しかった。    でも、その分夜になると死ぬのが怖くなって眠れなくなった。  自分にはこれから先もずっと未来があると思っていた。明日も明後日も当たり前のように来て、当たり前のように過ごすのだと思っていた。それでも、今までの大したことのない当たり前なら消えてなくなってもいいと思っていた。でも、この楽しい日々が私の当たり前になってくれるなら、私はもっと、生きたかった。私は、死ぬというのがどれほど怖いことなのかを今になって、初めて知った。  この数日間は私の人生の中で一番楽しい数日だった。
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