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私には一人の弟がいる。私の弟はとても怖い。どこで覚えたのか言葉遣いは悪いし、すぐ舌打ちをする。身長も百八十ある弟は近くにいるだけで鳥肌が立つし、睨みつけてくる目が怖い。
弟は小さい時からこうだった。
弟の部屋からは最近、壁を殴る音が聞こえる。気になった私は部屋を覗くと、壁の至る所に凹みや穴があった。生まれつきの反抗期というのはどうやら存在するみたいだ。ただですら人と話すのが苦手な私にとって、弟の存在は怖い以外のなにものでもなかった。私は、弟の機嫌を損ねないように毎日怯えながら生きていた。
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