ずっと、空を見ている

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ずっと、空を見ている

雲が空に溶けていた。 通学路とは反対側の、木々の隙間。 溶けた雲は世界に溢れて 僕を生かしてくれている。 傾いた林檎みたいな色だった。 普段は吸えないこの景色、 森の向こうの誰かの声を噛み締めて ずっと、空を見ている。
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