姉弟

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「臨、兵、闘、者、皆、陣、烈、在、前」  空中を漂っていた三つの式神がボロボロに燃えて地に落ちる。 「土御門の偵察式神じゃ。(われ)が復活したことは内緒じゃぞ。しかし、傀儡術(かいらいじゅつ)とは、身の回りのものを(あやつ)り人形のように動かす術じゃが、操り人形が自分を動かすのだから妙な傀儡(くぐつ)よのう」 「本当ですね」  朝忠は、満面の笑みで這子に頬擦りをした。 「やめよ! 気持ち悪い」 「姉上……」  朝忠は、己の全ての狩衣に衣嚢(いのう)をつけた。衣嚢とは、衣服につける袋状の物入れである。もちろん、そこには這子となった姉、倫子がいた。
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