寂しがり屋の猫は今日も主人の帰りを待っている

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「旭ー、朝だよ。おきて」 と揺さぶる。今は朝の5時。 「ん…?な、に…どうしたの…、て…まだ5時だよ?」 と起き上がる。 「あのね、俺あさひと見たいのがあるの!」 「何……?」 と言う旭を引っ張ってテレビの前まで連れて行く。俺はテレビをつけた。怖いやつだけど面白そうだから見てみたかったんだ。でも1人は無理だから誘った。 俺は旭の手に絡みついてソファに座る。映画が始まると女の子と男の子がちゅっちゅってしてる。そしたらゾンビって言うのが出てきて、襲われちゃった。 『なんだ、これ……、』 と画面内の部屋の電気がつくと手が血だらけ。俺はびっくりして旭の手に強く絡みつく。 「怖いなら見なければいいのに…」 と旭。 「そう言う事じゃないもん」 そして最後になるに連れてどんどん怖くなって行く。 今はドキドキしてるところ。男の人が逃げてて転んじゃったの。 すると急に隣から 「わあっ!!」 と声がして俺は跳ね上がる。 「!?っ、」 「オハヨ、2人して何見てんの?」 と笑う。俺は怖すぎて旭に抱きついて泣き出した。 「う”、ぅう”っ」 「なんで泣いてるの凪。凪が見たかったんじゃないの?」 と頭を撫でられる。 「うぇ、こわっごわがっだ…」 「遥何してるの」 とはるちゃんに何か言ってた。 「………」 「…遥、ほら」 と言うと俺を持ち上げてはるちゃんの胸元に押し付けられて抱っこされる。 「俺ご飯作るから。凪、それまでに泣き止むんだよ?」 と頭を撫でられて浅いキスを一回した。 「はるちゃんばか…、なんであんなことするの…」 「っ、ご、めん。ちょっとした出来心」 と背中をさすられた。 「やだぁ」 とぎゅっと抱きついて泣いた。はるちゃんはなんか息が荒かった。でも旭のご飯食べたらいつの間にか涙引っ込んでた。最後まで見たかったなあの映画…。
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