はじまり

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はじまり

ーーーぎらぎらとした、世界。 けたたましい音楽も鳴り響く。 その喧騒の中では、沢山の人が踊って歌って、この長い夜を楽しんでいる。 周りは見ず知らずの人達だけれど、そんな赤の他人達でもこういう場であれば一緒になって楽しんだり出来るものなのだ。 ーーーとはいえ、今日は羽目を外しすぎたのかもしれない。 新天地で、心機一転、と思ったが故なのだろう。 「っ、あはっ、」 へにゃり、と訳もなく情けない顔で情けない声を零してしまう。 世界が、くるくる回ってる。 さっきまで、くるくると回って踊っていたからだろうか。 まだ帰りたくないなぁ、と思いつつも、帰らないとと思う私がいて、ふらふらとしたおぼつかない足取りで人の合間を縫って歩いていく。 「あーんっ、ぶつかっちゃったぁ。えへへっ、ごめんなさぁい、」 こんな状態で、こんな人混みの中にいれば人にぶつかるのは当然のことだ。 ぶつかる度に、そうやってふにゃふにゃな態度で謝って扉の方へと向かっていく。 中には、お姉さん大丈夫?って心配して声を掛けてくれる人達もいて、でも私はへらへらっとした顔で大丈夫だよぉ、とそう答えて手を左右にふりふりと振りながら足をまた運ぶ。
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