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?「それでさぁ。その後…」
?「何それ!? ウケる~」
?「ってかそれバカじゃん!」
時「ハハハ…」
友達数人がバカ笑いをしながら話しているのを、彼は笑って聞いていた。
ガラッ。
?「お~い。お前ら席着け~」
先生がドアを開け入ってきた。
?「あ、ヤベッ」
?「じゃあまたね。とっきー」
時「うん」
女子生徒が手を降って去っていくのを彼は笑って見送った。
時「…ふぅ」
皆が去るのを確認すると、彼はため息をついて前を向いた。
彼、時園弦(ときぞのゆずる)は感情を出すのが苦手だ。
人の話を聞いても大抵「つまらない」と感じてしまう。
弦はそんな自分が嫌いだった。
そんな中で編み出したのが「愛想笑い」だ。
どんなにつまらないと感じても、笑っていれば大抵は上手くいく。
彼は毎日鏡を見ながら笑う練習をした。
その結果、彼は上手に愛想笑いをできるようになった。
今では周りにたくさん友達ができた。
しかし、本当に笑うことはまだできていない。
弦の心には確実にストレスが溜まっていた。
時「ハァ…」
弦は窓から見える空を見つめ、大きなため息をついた。
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