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3 普通に、穏やかに。
いつも同じ夢を見る。
そしていつも同じところで目が覚める。
いつからだろう、俺はずっと……同じ夢を見ている。
* * *
いつものように平穏な1日を過ごし家に帰ると、妹とその友人2人が出迎えてくれた。何でもその2人の友人たちは俺のファンで、帰ってくるのを待っていたとか。身長こそ180センチはあるけど、クラスでもそんなに目立つ存在でもないし。まあ、性格は自分で言うのもなんだがそんなに悪くはないと思う。明るい方だと思うし、責任感もある。それから……そんなもんかな。
でも、妹の友人が俺の性格まで知っているはずもなく。……こんな平凡な俺のファンって。明らかに不自然だ。きっと何かある。もっと違う理由はなかったものか。
玄関先で大騒ぎしている3人を、『若いなぁー』と横目に見ながら、リビングにいる母にドアのところから「ただいま」とひと声かけて、2階の自室に向かう。
「ちゃんと、手を洗ってうがいしなさいよ」
俺の背中に向かって、リビングから母の声が飛んでくる。
全く。俺をいくつだと思っているのだろうか。子供の頃から日課のようにそう言われるのも、そろそろ卒業したい。
「はーい」
とは言うものの、結局文句のひとつも言わずに洗面所に向かい、手洗いとうがいをすませる。
親の言いなりになって『おりこうちゃん』にしてる訳じゃないんだ。
ただ面倒くさいだけ。
ひと言「うるさい」とかなんとか、同年代の男子のセリフを言い返しでもしたらどうなる?
それこそ、その何倍もの威力で言葉の嵐となって返ってくる。
そんなことで無駄な労力は使いたくない。
波風立てずに平穏な1日を過ごしたい。それが常日頃から俺が一番望んでいることだ。
普通に、穏やかに。
そう願っていても、思うようにいかないのが人生ってもんで。
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