箱入り弟

6/18
前へ
/18ページ
次へ
腰辺りまでしか浸かれないというのに、肩を掴みながらそう言った。 始めのうちは、この暖かさに気持ちよいと思うのだが、段々と顔が火照り、そして、体の奥底からむず痒さを覚えてくるのだ。 それが頂点に達した時、見計らったように兄が、 「葵。解していくよ」 「う、ん·····っ」 背後にいた碧人が、肩を掴んでいた手を、薄桃色の乳首の先を触った。 それだけでも、無意識に声が出てしまった。恥ずかしい。 兄はそのまま、右乳首から順に、親指と人差し指で摘み、指先で転がす。 「あ·····っ!! あ、んっ、うっ、んっ」 「葵、気持ちいい·····?」 「きも、ちぃ·····っ! は、はぁ·····あっん」 「それは良かった。気持ちいいと言えば言うほど、葵の体は丈夫になっていくのだから」 「う、ふっ、ん·····、あっ」 兄に言われるがままに口走る「気持ちいい」。けれども、葵にとってはそれが気持ちいいなのか分からず、気づけば、お手洗いに行きたくなるように足を擦り合わせる。 もっと良くなるようにと、今度は胸全体を揉んでくるものだから、葵はこれが苦手なのだ。 無意識に体を揺さぶる。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加