箱入り弟

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「むりっ! もう、むりだからぁ!」 「下も解さないといけないから、頑張って」 「〜〜〜っ!」 これ以上変な声を出したくなくて、両手で口を押さえるものの、「声を出して、体の中の悪いものを吐き出さないといけないのだから」とやんわりと手を取られ、桶の縁に置かれた。 「次は、お尻の穴を解していくから、こっちにお尻を向けて」 「は、……はぁ……っ」 肩で息をしながらも、兄に言われた通り、膝をついて尻穴を晒す。 「まずは一本目」 「……あっ……は、んっ」 搾められている部分を解していきながら中へと侵入していった。 この行為も苦手だった。普段は排泄する部分であるのに、外から狭い場所を無理やり拡げ、しかも、兄の節くれだつ、細くて綺麗な指を汚してしまっているようで、申し訳なく感じるのだ。 初めのうち、その胸の内を言葉にしてみたら、「葵の体をよくするためだから、気にしてないよ」と優しく撫でられたものだから、これ以上何も言えなかった。 その指が二本、三本と増え、さらに奥へと進めていった時、コリコリとしたものが当たった感覚があったのと同時に、背中を仰け反らした。
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