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「あっ、あ〜〜っ! そ、こ、はぁ!」
「気持ちいいでしょ……?」
「きも、ち……っ! ふっ、ん……っ!」
一瞬にして何も考えられなくなり、言われるがままにその言葉を口走る。
その部分を押されると特に「よくなる」らしく、今も兄は念入りに押してくるが、葵は触られたくないと腰を引こうとしてしまう。
しかし、兄が逃してくれるはずがなく、空いていた手を足の間の小さな突起物を弄られ、反射で体を大きく仰け反らせた。
そして、うわ言のような言葉を発し、不意に指を引き抜かれたことによって、突っ伏し、水しぶきを上げる。
「今日もいっぱい声を出したね。いい子……」
「ん……っ」
頬を触る指、かかる吐息で、寒気にも似た感覚が背中を駆けていった。
すっかりのぼせ、大きく息を吐いている葵のことを、自身が濡れることを気にせず、抱き上げ、体を拭いてくれた。
その時も、柔らかなタオルが体に触れる度に熱い吐息が漏れ、呼吸が落ち着くことはなかった。
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