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午前3時、私は何度目かの電話をかける。これで何度目だろう。もうコール数なんて数えられなくなった頃、
『はい……』
と姉が電話に出た。
「おはよう。また二度寝したでしょ? 30分前もかけたのに」
『ごめん……。ありがとう……』
「感謝はいいから! マネージャーさん来るでしょ? いいから起きろぉ!」
一人で起きると言ったはずだが、姉は最初の一週間で挫折したらしく、引っ越して三ヶ月経っても、まだ起こす役目は私だ。
朝の子供向け情報番組に週1回レギュラー出演することになっている姉を私はこうやって起こしている。
いざテレビで観るときは、ステキな笑顔を浮かべているのが何とも不思議だ。この間のリリースイベントの配信では、女の子たちからのメッセージが大量に届いていた。あの子たちの誰一人として、姉の仮面を外した姿は知らない。
姉が東京に行っても私の役目はこんなものらしい。
でもまぁ、こんな日々も悪くない。
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