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そして、ついにその時がやって来た。あの男の人が、なにやらよくわからない器具で孤児院の子供たちを1人ずつ検査している。その様子を見る限りでは、その検査に合格した者はそれほどいないようだ。検査を終えた奴らに話を聞くと― 「なんかよくわからない器具に頭突っ込んで、んで、なんかよくわからない内に検査が終わっている感じなんだよね・・・」 「そうそう!で、なんかすごく頭がぼやけるっていうかなんていうか・・・」 ―だそうだ。なんて抽象的な表現なんだ・・・。よくわからないじゃないか・・・。そして、とうとう俺の番がやって来た。すごく緊張する・・・。それが伝わったようで。 「はは、緊張しなくても大丈夫だよ!検査自体はすぐに終わるからね!」 「あ、あぁ、すみません」 「謝らなくていいよ!で、名前は?」 「禮萌です。よろしくお願いします」 「禮萌君ね。よろしく。じゃあ、いってみようか」 (どうなる・・・、俺の運命・・・!!) ビカーッ。ピー、ピー、ピー・・・。 (うわ、まぶしっ!そして、なんかピーピーいってんな・・・) 「・・・。これは・・・!?すごい、すごいよ!禮萌君!!」 「えっ?」 「合格だよ、合格!こんな子、なかなかいませんよ!すぐに、連れていきます!!」 (う、受かった・・・のか?とりあえず、よかった・・・。でも・・・) 「これで、検査は終わり、なんですか?」 「いや。もしかしたら、もう1人いるかもしれないからまだやるよ!君は、ちょっと別室で待っててね!」 (光の検査結果は見れないのか・・・。でも、大丈夫だ、きっと) そして、全員が検査終え― 俺と光は連れていかれることが決まった。俺のような結果ではなかったようだが、検査には合格したということで光も連れていかれることになった。 「いよいよ、この孤児院ともお別れだね」 「あぁ。俺たちは、やっと自由になれるんだ。なんかワクワクしてこないか?」 「ふふ。君は相変わらずだね」 「い、いいじゃんかよ!これで俺たちは自由になれるんだからさ!」 「うん!頑張ろうね!」 この時の俺たちはまだ知らない。これから連れていかれる研究施設が、どんなものなのか。そして、これからどんな地獄が待っているのかを・・・。
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