涼兄の追求

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涼兄の追求

僕はベッドから涼兄を仰ぎ見るとポカンとしてしまった。え?あっくんがショック受けたの? 「え?僕の言った事でショック受けたの?」 涼兄は呆れ顔で、僕に言い聞かせる様に言った。 「ああ。凄いショック受けてた。でもお前に何て言われたのか聞いても黙りこくっていて埒が開かないから、直接理玖に聞こうと思ったってわけ。」 僕はベッドから身を起こしてベッドに腰掛けると、俯き加減で涼兄から目を背けて言った。 「そんなにショックだったのかな?…僕が言ったのは、僕がアルファじゃなくても仲良くしてねって言っただけ。だってミコトが、あっくんが僕を避ける様になったのは、アルファはアルファ同士としか仲良くしないからじゃないかって。 僕がアルファっぽくないから、仲良くしないんでしょ…?」 僕が最近クヨクヨ考えていた事を思い切って言ったら、涼兄は文字通り額に手を当てて怖い顔をしていた。 「…篤哉、理玖の事避けてるのか?」 僕は涼兄にその事がバレて悲しくなってしまった。僕は喉の奥が詰まって、瞼が熱くなるのを感じながら、去年の終わりにあっくんに言われた事を震える声で話してしまった。 僕がチビだから、一緒に側に居られなくなるし、僕があっくんのこと怖くなるかもしれないって言われたことを結局ぐしぐし泣きながら話してしまった。 涼兄はため息をひとつつくと、俺にはお手上げだとか呟いた。それから僕の頭をくしゃくしゃと撫でると優しい声で言った。 「あんまりどうしようもない事を考え込むな。理玖がまだチビなのは本当だし、4歳差は大きいからしょうがない面はあるんだ。理玖が中1になれば色々ハッキリするだろうから、それから考えても遅くない。 ていうか、今考えるのは早すぎるっていうかな。俺にも上手く言えないけど…。とにかく、理玖は毎日沢山食べて、いっぱい運動して、勉強して、遊んで。余計な事は考えなくても良いんだ。 はぁ、やっぱり俺がとばっちりじゃねーか。…あと、篤哉はお前のこと大好きだと思うぞ。そう言ってなかったか?」 僕はあっくんが僕の事を大事だとは言ったけれど、大好きだとは言わなかったと思った。だから首を振った。涼兄は何だかまた怖い顔をしてあの馬鹿とか言ってたけど、僕は泣いたせいかもう何だか疲れちゃってもう寝るねと言って、涼兄を部屋から追い出した。 …涼兄が言った、あっくんが僕の事大好きだって話本当かな?本当なら嬉しいのに…。僕はちょっと良い気分で目を閉じた。
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