2人が本棚に入れています
本棚に追加
「……では!夏休み明け元気な皆さんに会えることを願っています!さようなら!」
「さようなら〜」
いつのまにか終業式も終わって下校時刻になっていた。
クラスメイトは一斉に玄関に向かった。
長いようで短い夏休みの始まりだ。
「おーい、優斗!行くぞ!」
「あ、はーい!ちょっと待って流星くん!!」
俺は帰る準備万端だが、優斗はまだなようだ。
文房具や、資料などをカバンに詰め込んでいる。
ちゃんと計画的に持って帰らないからそうなるのだ。
「玄関で待ってるなー!」
俺は玄関に向かう。
優斗と俺は家が近く、俺の家の先に優斗の家がある。
だから自然に一緒に帰ることになっている。
もちろん行きもだ。
それから20分ほどして優斗が走って玄関にやってきた。
「ハァハァ…!!お待たせ……!!流星くん!」
優斗は息を切らしながら走ってきた。
「おせーよ!バカッ!」
バシッ!
俺は優斗の頭を軽く叩いた。
「いたっ!……ごめ〜ん」
叩いた衝撃でズレた眼鏡を直しながら優斗は謝った。
「どうせお前のことだから玄関に向かう途中で先生にでも何か頼まれたんだろう?」
俺は自分の靴を履きながら問いかけた。
最初のコメントを投稿しよう!