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数学の谷山はスキンヘッドで縁なしメガネをかけいつも真っ赤なジャージを着ている。
どっちかというと数学より体育を教えてそうな外見だ。
そして、おっかないのは外見だけではなく中身もだ。
授業態度が悪かったり忘れ物をすると、男女構わず怒鳴りつけキツいペナルティが課せられる。
そんな超厳しい先生の課題を弟が忘れたというのだ。
学校に取りに戻るしか選択肢はないだろう。
「…しゃーねーな!取りに戻るか!」
「ありがとうお兄ちゃん!」
2人で学校に戻ろうとすると
「あの、僕も忘れ物したんで一緒に着いて行ってもいいですか?」
俺たちの様子を後ろから見てた優斗が声をかけてきた。
「全然良いけど、お前が忘れ物なんてめずらしいな」
「僕は課題とかじゃなくて、借りてた本を……」
優斗は苦笑いした。
俺たちは、荷物を置くために一旦家に戻り、必要なものを持って集合した。
「空、一緒に課題を取りに行ってやる代わりに今日の風呂掃除の当番お前な」
「え〜、わかったよ……」
空は少し嫌な顔押しながら渋々了承した。
蝉の声がうるさい真夏の昼下がり
俺たちは学校へ向かった。
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