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extra 02 つむぎとニコイチ、朝比奈さん☆(ゝω・)v
レディースたちとの大立ち回りをした日の深夜の話である。
ゲームを終えた李津が飲み物を取りに1階に降りると、洗面所から奇妙な声が聞こえてきた。
「なにしてんの?」
「んーーー……んんっ!? おっ、おにーちゃんんっ!?」
体をねじってうなっていたつむぎは李津に気づき、小さく跳ねる。
「体操?」
「あ、えとぉ、首の後ろがひりひりする気がしてぇ……」
つむぎはちらちらと、鏡の方を気にした。どうやら首の後ろを見ようと頑張っていたらしい。
「見ようか? 腕もまだ治りかけなんだから無理するなよ」
「ひえぇ、ありがと〜。よしなにぃ〜」
つむぎは素直に背中を李津に向けた。無防備すぎる仕草に、李津はどきりとする。
(……風呂といい背中といい、信頼されてるなぁ)
なんともいえない気持ちで、つむぎの艶のある黒髪を首の前によける。
(それに俺も、なんだかんだ世話焼いてるし。なんだよこれー)
結局、妹たちのペースに飲まれてしまう李津だ。
ハの字に割れた髪の間から白い首筋が見え、赤く腫れている場所を確認。歯型と血の跡があって、李津の目が一気に覚める。
「ちょっちょちょちょ!? おい、どうしたこれ。ま、まさかあいつに!?」
がしっと肩をつかんで李津はつむぎに詰め寄った。
ガクトを釣り出すためとはいえ、つむぎに囮になってもらう作戦なんて立てるんじゃなかったと後悔が頭を駆け巡る。
「うぅ……」
もぞもぞと体を震わせて、つむぎが涙目で見上げる。
「さっき莉子ちゃんに噛まれたぁ」
「…………は?」
その答えはさすがに、「は?」である。
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