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世界の終わり前編
金属製のドアが開く。
真っ先に目に入ったのが、天井からぶら下がっている首吊り用のロープだ。
通路の端に立っている複数の警察官が無表情で私の方を見つめている。
警察官の中に白衣を着た壮年の男性がいる。恐らく、死亡しているかどうかの確認をする検察官の類だろう。
私は左右に付き添っている警察官に促され進む。
私は死ぬ。
絞首刑によって……
ぶら下がっているロープが目の前で微かに揺れている。
私の足元の地面には赤い正方形の枠が描かれている。ここが抜けて、私の首が締まる仕組みだ。
思わず深いため息が出る。
何が悪かったの……?
体が震えて涙が溢れる。
なんでこうなった……?
何千何百回、自分に自問して来た。答えは誰も教えてくれない。自分にも分からない。
死が近づいているせいか、より不安定な気持ちが顕著に出る。
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