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なんと返せばいいものかすぐ思いつかなくて、グラスに突っ込んだままにしていたストローを咥え、中身を吸い上げた。
めちゃくちゃな甘さが舌を直撃したせいで、思わず眉を顰めてしまう。
塊はキャラメルシロップだろう。しかも追加したから、かなりの甘さで俺の舌に纏わりついてきた。
キャラメルめ。
でも、その甘さのおかげで、胸の中を独占しようとしていたもて余すほどの甘い気配から気を逸らせた気もする。
感覚的な甘さが、精神的な甘さを上回った。
これは成功。
何食わぬ顔で、さっき彼女がしていたのと同じようにストローを動かして、自分のグラスの中身を攪拌させる。
「優大の、めちゃくちゃ甘そうだね」
「うん、激甘。けどそっちも甘いんじゃない?」
「激甘かぁ」
これは絶対、俺のを狙っている。まあ、ただの勘だから根拠なんてないんだけど。
それでも察してなんかいないフリで、過剰だったかもしれない糖分をさらに体内に取り込んだ。
「あんまっ」
「どれどれ、どんだけ甘いか莉乃さんが確かめてあげよう」
「別にいいです遠慮します」
「まあまあ、君と僕の仲じゃないか」
「エロ社長か」
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