101人が本棚に入れています
本棚に追加
「莉乃のこと、ちゃんと、好きだよ」
言いながら照れたのが移ったのか、彼女も照れくさそうに笑った。
彼女のこういう表情は、たまらなく可愛らしいと思う。
「じゃあ、どうして何もしてこないの? 好きだけど、私とはそういうのありえない?」
照れるくせに攻撃の手を緩めようとしないなんて、さすが勇敢彼女。
これだからうっかり油断できない。問題は、次々湧き出てくるんだから。
「そんなことないよ」
慌てて答えたけれど、ありえないどころか予習までしてたんだから、なんてことまで告白しなくてよかった。キモッ、なんて言われたら簡単に傷つく、勇敢とは対極にいる生物が男だと思うし。
「じゃあ、したい?」
「ストレートだね」
豪速球が右頬を掠ったような心地。
彼女の素直なところは好きだけど、この流れはどこに行き着くんだろう、と考えるとちょっと。
「私、してもいいよ? 優大となら」
「え……」
「優大、すき」
勇敢彼女渾身の『すき』は、凄まじい破壊力なのだと思い知る。
俺はまだ当惑していたというのに、それさえ忘れて、気づいたら彼女を囲うようにベッドに手をついて、上から見下ろしていたのだから。
最初のコメントを投稿しよう!