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「莉乃のこと、ちゃんと、好きだよ」 言いながら照れたのが移ったのか、彼女も照れくさそうに笑った。 彼女のこういう表情は、たまらなく可愛らしいと思う。 「じゃあ、どうして何もしてこないの? 好きだけど、私とはそういうのありえない?」 照れるくせに攻撃の手を緩めようとしないなんて、さすが勇敢彼女。 これだからうっかり油断できない。問題は、次々湧き出てくるんだから。 「そんなことないよ」 慌てて答えたけれど、ありえないどころか予習までしてたんだから、なんてことまで告白しなくてよかった。キモッ、なんて言われたら簡単に傷つく、勇敢とは対極にいる生物が男だと思うし。 「じゃあ、したい?」 「ストレートだね」 豪速球が右頬を掠ったような心地。 彼女の素直なところは好きだけど、この流れはどこに行き着くんだろう、と考えるとちょっと。 「私、してもいいよ? 優大となら」 「え……」 「優大、すき」 勇敢彼女渾身の『すき』は、凄まじい破壊力なのだと思い知る。 俺はまだ当惑していたというのに、それさえ忘れて、気づいたら彼女を囲うようにベッドに手をついて、上から見下ろしていたのだから。
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