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1 バナナを食べて異世界無双!?
1ー1 バカップルと人造人間
入学式だったが、俺は、しらけた気分だった。
というのも俺は、二年前にうまれた人造人間であり決して15才の夢や希望のあるうきうき気分の新入生どころか人間ですらなかったからだ。
生まれた時から人間の僕として造られた自分の運命を知っている俺にとって夢などみれるものではなかった。
その俺がなぜ、こんな高校などという学舎に入学することになったのかというと全ては父兄たちの中に混ざってきゃっきゃと騒いでいる二人の男女のせいだった。
面白げにビデオカメラを回しながら俺の姿を追っているちょっとニヒルなロマンスグレイの性格の悪いおっさんは、柴崎 近衛。
俺の義理の父親であり、永遠の宿敵である人物だ。
ちなみに職業は、公務員。
その隣でうきゃうきゃいっているどう見ても幼女にしか見えない黒髪をツインテイルにしている小柄な女は、柴崎 梓。
一応、俺の義理の母親であり、マスターの愛娘であり、人造人間である俺を自分の子供として育てるとか言い出した張本人でもある。
これでも職業は、大学教授だ。
この能天気そうな夫婦が俺の人造人間ライフを狂わせた連中だった。
この二人のせいで俺は、マスターのオーダーを実行することが難しくなったのだ。
俺のマスターは、娘である梓にめっちゃ弱いのだ。
このロリババアがなんの気の迷いか、俺のことを自分の息子として育てたいとか言い出したせいで俺の素晴らしい人造人間ライフの計画が狂ってしまった。
俺は、マスターのオーダーを実行することでマスターの支配から自由になるという契約をマスターと結んでいる。
そして、俺は、さっさとマスターのオーダーを成し遂げて異世界で俺の人造人間ライフの余生をのんびりと過ごすつもりだったのだ。
うん。
異世界でのんびりスローライフ。
最高じゃね?
まあ、今でもその予定を俺は、諦めてはいない。
一刻もはやくマスターのオーダーを達成して自由の身となり異世界でスローライフを送るのだ。
そのためにはこの夢見勝ちなロリババアと性悪おっさんのバカップルから逃れなくてはならない。
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