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るすばん
「ごめんな狂歌、今日は会議でどうしても外に行かなきゃならないんだ。」
「うん。きをつけてね」
「誰か来ても開けなくて良いからな。食事は冷蔵庫の中にあるからあっためて食べてくれ。それと、、、」
「ことちゃん、ぼくこどもじゃないよ」
苦笑いしながら狂歌は言う。
玄関の前、スーツの琴音は狂歌を抱きしめて言う。
「愛してる。」
「うん、ぼくも」
「帰りにお菓子買ってくるからな。」
「プリンも、かってきてね」
狂歌にとって、琴音はなくてはならない存在だ。
居なくなってしまったらもう、、、
「いってらっしゃい」
琴音は心配そうな顔を隠しきれないまま手を振り、ドアを閉める。
「、、、さみしいけど、がんばっておそうじとおせんたくする。おはなのおみずと、おさらをあらって、、、」
狂歌はやるべき事を頭でまとめる。
琴音からはしなくていいとも言われたが、働けないのならこれくらいはしなくてはとおもっている。
「はたらかざるもの、くうべからずなのに。」
壊れた自分を愛してくれる琴音。
寂しさをこらえつつ、仕事を始めた。
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