恋になっていく

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「津々理、俺はどうしたんだろうか。」  やっぱりな、柊木に感染ったか。  寒い寒いと何枚布団を掛けても震える柊木、熱は40度を超えていた。  流石にオレもこれには焦り、病院に行こうと促すがそれさえもシンドそうで、とりあえずは眠れるようにと、解熱鎮痛剤を飲ませた。  一時でも熱が下がり、楽になった時点で病院に連れて行こうと思ったが、解熱鎮痛剤も効かない、飲んで下がっても38度までだ。  太い動脈、首すじ、脇の下、太腿の付根、この三ヶ所を氷で冷やして、冷えた血液が身体を冷やし熱を下げてくれるのを期待した。  翌朝、柊木の発熱は少し落ち着き、薬を飲まなくても38度まで下がった。  「ごめんな、柊木」  謝るオレに「何がだ?」とキョトン顔。 「オレのせいでオマエを苦しめた」 「来るな、と言われたのに近づいたのは俺だ。君は何も悪くない」  オレにそう言う柊木は、いつもと変わらない笑顔だったが、それでも辛そうだった。  柊木に付いてやりたいと思い、理由は言わず仕事は松本に代わって貰った。後で必ず埋め合わせするからと言ったが、松本は「そんな事いい!任せろよ!」と快く代わってくれた。  いいヤツだ、初めて思った。  柊木の熱は38度を行ったり来たりで落ち着いていたので、動かすのも可哀想だと思い、動脈を冷やす方法で様子を見た。  次の日には、薬を飲んでいる間は平熱に戻る程回復してきて、翌々日にはすっかり落ち着いていた。 「津々理、風呂に入りたい」  もう何日も入ってねぇから気持ち悪いんだろう、風呂に入りたいと柊木が言う。  昨夜、平熱に戻ってその後、薬は飲まなくても熱は上がっていない。もう大丈夫だろうと思った。 「じゃあ、風呂沸かすから待ってろ」  そう言って、柊木の額に一度手をやり、部屋を出ようとドアノブを握った。
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