はやすぎる進展

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はやすぎる進展

「どっちが強いか拳で勝負してやるよ!!!菫様がな!!!!」 「いいぜ!!!受けてたってやるよ!!!飛雅様がな!!!!!」 ((………………は?)) 下っ端だけで話が進んでいた。 「校庭裏でやってやんよ!!!」 「望むところだ!!!!!」 自分が戦うわけでもないのにノリノリで話を進める。 (うううううううう、嘘でしょ?え?喧嘩?人生初喧嘩なんですけど?てか負け確死亡確定なのに行きたくな、あれ?これ自分詰んだ?) (菫くんと話せる!!??やっっっった!!!喧嘩は……菫くんの顔に傷をつけるわけにはいかない、ここは俺が引いて、、いや、ちょっと拳で語り合いたいかも。) 「「ぜってー負けねぇぞごら!!!」」 勝手に盛り上がる下っ端、菫と飛雅は別々の意味でドキドキしていた。 席に着いた菫は、早速頭を抱える。 (え?喧嘩?拳?チョットヨクワカンナイ……。ここは用事があるからですますしかない。いやそうする他な) 「菫様!!飛雅なんかやっちゃって下さいよ!!!俺らも見守ってますんで!!!」 「……その事なんだが、」 「菫様が殴り合う姿見たかったんすよね!!1回も見た事なんてなかったから!!!」 「いや、その、、」 「あ!授業始まるっすね!楽しみにしてまっす!!!」 「………………」 結局何も言えなかった菫。 (くそぉぉぉぉおおおお!!!今日僕は死ぬのか!!!!むしろ1回も喧嘩したところ見た事ないのになんでそんな信者になってしまうんだあいつらは!!!不良分からぬ、、住む世界がそもそも違うのに、、) 菫、覚悟を決められずにいた。 一方、飛雅はと言うと、、、 (……人と普通に話すのってどうやってたっけ???いっつも喧嘩腰で、、てか喧嘩から入るのが常識だったていうか、やばくないか?こんなんじゃ、菫くんに好きって言えない。え、違う!違う!俺は何を言おうとしているんだ!気が早すぎるぞ!!!) 「飛雅様、やはり菫との勝負、燃えているな。」 「ああ、菫のやつに、一泡吹かせてやるチャンスだ!ふっかけて正解だったな。」 舎弟は、そんな飛雅の心は見抜けずにいた。 ………………………………………… 「え!?放課後は無理ぃ!!??」 「あぁ、放課後は、その、用事があってな。」 「え、じゃあ、飛雅との喧嘩は、」 「それはなかったことにしてくれ。」 全ての授業が終わり、下校やら部活に向かう生徒の中、菫の下っ端が目をがん開きにして叫ぶ。 「それじゃあ逃げたってなるっすよ!!!」 「飛雅のヤツらに舐められますよ!!??」 「………………」 菫は、厳しい状態にいた。 (いやいやいやいや、喧嘩とかマジ勘弁だし、なんでこんなキョドり陰キャ風情を巻き込もうとするんだよ。そしてなんで気づかない。自分が喧嘩とかしたことないただのオタクだってなんで気づいてくれないんだ!おかしいだろ!!喧嘩1回も見た事ないのに「菫様!」とかおかしすぎるだろ!?こいつら頭お花畑か?) 「そんな!!!菫様!!お願いですよ!菫様なら、あんなやつ、10秒あればやれるっすよ!」 (10秒って、、あっちはホンモノなのに、陰キャがどう動こうとただの弱者ポジション、変わらないんだよ。お願いだから帰らせてくれ!) 「菫様、」 「おいおいおい!!ちょっとクラス覗いて見りゃあ、アンタらだけか?」 菫のクラスに入ってきたのは、飛雅達だった。 「んだと!?何勝手に入ってきてんだよ!!」 「授業終わってんだがら入っても問題ねぇだろうが??」 「他のクラスに入る時には先生の許可がいんだよ!!!」 (真面目かよ。) 菫は、頭をフル回転させていた。 (陰キャがホンモノっぽくするには、やっぱ厨二病っぽくしてれば、、なんとかなる、、はず!てかそもそも自分厨二病だし!!!) 「で!!校庭裏に行くか!!それともここでやっちまうか!?」 「ああ!!もうここで決着を!!」 「待て、お前ら。」 下っ端の言い争いをとめたのは飛雅だった。 「!!飛雅様、、」 その威圧に、下っ端4人は黙った。 とても喋れる雰囲気ではなかった。 「……沖墨、、お前、」 突然名前を呼ばれ、一瞬ビクッとする菫。 (え、やば、なん、なんすか?あの、こっち見るのやめてもらっていいすか、溶けて砂になりそう) 「……な、なんだ。」 とりあえずそれっぽく答えてみる。 飛雅は、ゆっくりと菫に近づく。 誰一人と動けなかった、菫は至って平静を装っているが、下っ端と同様、動けないでいた。 むしろガクブルである。
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