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『ミーティングでちょっと遅れる』
待ち合わせは七時だったけれど、オーナーや店長に雑務を任されることの多い有希はなかなか時間通りには動けない。既に十分待っていて、手持無沙汰になり、またお腹の虫の催促もあって麻衣美は先に注文をすることにした。
「あ、あのう、すみません。オーダー良いですか?」
「はい、かしこまりました。……と、あれ、君って確か三階のチーズケーキのお店の子だよね?」
「えっ?あ、は……はい」
勤務日数が長くなるにつれ近隣のショップ店員とは顔なじみになったりする。
オーダーを取りに来た青年は二十二歳の麻衣美よりは五つ以上は年上に見えるイケメンで、清楚な笑顔が糊の効いた白のシャツにとても似合っていた。
くしゃ、と笑うと目尻に皺が寄って、何とも癒される。
この笑みをどこかで見た気がして、そして会話の内容から、何度か店に足を運んでくれていた常連さんだと気づく。
「あ、もしかしてですけど、いつも来て下さってる………?」
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