4-6

1/4
前へ
/335ページ
次へ

4-6

 失神した麻衣美をキッチンの床に仰向けにした後、ミカコは「あっ、そうだったぁ!」と、キャンドルをとりあえず横に置き、胸元のペイントの撮影を始めた。  麻衣美の両胸に描かれた双子の男の子と女の子は、麻衣美が抵抗したせいで顔が歪み、お化けのようになっている。  それでも目や唇の位置から、人の顔を描いていることは明らかだった。 「よ―――し!はいっ、笑ってぇ――――!!はい、チーズ!!」  ミカコはわざとらしく乳房に描かれた双子に声をかけ、それから連写ボタンで撮影をした。20枚ほど撮れた後は、すぐに要二朗に向けて送信する。 「いいぞお、どんどん悲しめ、どんどん怒れっ!」  麻衣美に辛く当たる程に、ミカコの感情はハイになり、幸福感が増し、脳内でオキシトシンが増幅していた。  ミカコの復讐計画はこうだ。  一つ目は、愛する男の寵姫を散々な目に遭わせること。  そしてもう一つは愛する男を監禁し、蹂躙すること。  監禁に際してはこのマンションより都合の良い場所は無い。  近所づきあいもなければ、防音設備も整っている。
/335ページ

最初のコメントを投稿しよう!

61人が本棚に入れています
本棚に追加