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 恋敵である女をボロボロにしたり、使いっぱしりの男を殺すことに躊躇うことはなくても、要二朗だけは、簡単には殺してしまえない気がしていた。  自分のペットのようにしたいと思った。  自分がそうされたように。  魅惑のアロマと、極上のオイルで接待し、最上の官能の楽園に、また一緒に到達したい。  やはりお前が一番だなと、そう言ってもらいたい。  あの笑顔を、取り戻したい。  何だかんだやってしまったことも、お前なら仕方ないなと許してほしい。  普段は真面目で堅物そうに見えるのに、笑うと目尻にぎゅっと縮緬ジワが寄って、人懐っこいような可愛い表情になるとキュンとなる。 「まずはこれまでのあたしへの非礼を謝ってもらってぇ……それからあたしの奴隷になってもらう……男性用の首輪や手錠も調達しているし、拘束の手はずは整ってる……あとは、急いでやって来た要二朗の隙を突いて、スタンガンで動けなくしてしまえば……」  キイ、とマンションの扉が開く高い音が響き、ハッとしてミカコは麻衣美の上から腰を上げた。 「要二朗?ようやく来たね!待っ………」  パン! 「え………」
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