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「………っ!!よ、要二朗さ……っ!な、なんでここ、にっ」 「御挨拶だな。元々ここは僕の家なのに。勝手に不法侵入したのは君たちの方だろう?」 「えっ?あ、あ―――……」  そうだった。  確か……。  意識が混濁する中、麻衣美は目を閉じ、懸命にこれまでの経過の記憶を辿る。  えっと……確か、ミカコさんに連れられてここまで来て……それで、有希先輩はいなくって……で、えっと、急にミカコさんの表情が変わったと思ったらボコボコにされて、それで顔と胸に落書き、を………。 「酷いことされたね」 「え………と、あっ……」  泡風呂の見えない水面下で、要二朗の手が麻衣美の身体の側面を撫でていく。  柔らかなタッチに麻衣美はいけないと思いつつ反応し、身を捩じらせた。  ハッキリしてきた視界、自分の胸元を見下ろすと、そこにはまだ白い顔料の残った乳房があった。  ミカコが双子のように扱っていたそれは、お湯に揺られて顔の表情こそすっかり溶けてしまっているが、未だその白みを消しきれていない。
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