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「なんでじゃなくて!今、私満身創痍で!見てわかるでしょう?泡で良く見えないかもしれないですけど、背中とか特にホラ、青痣だらけ、打ち身だらけなんです。今も身体動かすだけで痛いし……そーゆうの入れられると、ちょっとその……困ります」 「背中、か。確かに酷い内出血だったな……だいぶ蹴られたんだろう」 「そうです……」  言いながらふと、気づく。  あれ?そう言えばミカコは今どうしているんだろう。  要二朗が麻衣美を救出したと言うことは……要二朗がミカコに勝ったと言うことになる。 「可哀そうに。痛むか」 「えっ……あ、はい。背中を捻るとちょっと。少し、ヒビが入ってるのかも……」  少しでも動くと、背中にピキリと痛みが走る。  これは打撲では起こらない反応な気がする。 「じゃあちょっと、腰を振るのはキツいか………」  これは見逃してくれるかも、と麻衣美は期待で唾をゴクリと飲み込んだ。  そしてこの隙にと湯船から立ち上がることを試みる。しかし。 「僕は、母に裏切られた………」  ボソリと発せられた声に、背筋の毛が逆立った。
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