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「えっ!?ちょ、ちょっと待って。だから……うっ!」  曲げられた背中の打撲痕が悲鳴を上げる。  やはりヒビが入っていることは明らかだ。  先程このことを伝えたばかりなのに、それで了承してくれたように思えたのに、どうして。   「母のことはもういい。今は君だけだ。麻衣美。君だけだ。君を僕のものにする。それで僕の魂は癒されるんだ」 「え……っ?な、何を、ちょっ……」  自分自身を説得するような、感情の無い早口の言葉。  まるで計算式のような言葉の羅列に、一気に不安が高まる。  ザアッ!  マゼンタピンクの緞帳のようなカーテンを勢いよく捲り、要二朗は麻衣美の身体をベッドに転がした。拭き上げていない身体は、乳房の顔料こそ殆ど取れているが、泡があちこちに落ち切れず残っている。  その上に、野獣のように要二朗が飛び乗って来た。  その目には全く余裕がなく、いつもの冷静さが欠片も見えない。  牙を剥くように麻衣美の首筋に被り付き、手のひらは強引に乳房を揉みしだいていく。  突然の要二朗の変化に、意識が付いていけない。  なぜこんな感じに?なぜ?なぜ?  今までいろいろ監禁や拘束はあったけど、でも、強引なプレイはしない人だった。
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