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 全てにおいて紳士的で、まあ確かにレイプなんだけど、それでも心地良くなれるよう、最善を尽くしてくれていたような。  だけど、何?  今のこの、目の異常さは、獣のような強引さは、何? 「あ……っ、んんっ……」  要二朗の身に起こった明らかな豹変に、麻衣美は戸惑い、それでもそこから抜け出すことが出来なかった。  そして、天井を見上げて気づいた。  天井から寝室の壁にかけて、真新しい赤い模様が付いている。  まるで書道の大家が大筆で殴り書きしたような、赤い血飛沫で出来た大量の線。  そう言えば、酷い異臭がする。  麻衣美は要二朗からの愛撫を受けつつ、おそるおそる、目線を足元の方に下げた。  そこにあったのは、ひたすらに赤い物体。  身体中を鋭利な刃物で滅多刺しにされ、切り裂かれたと思われる、  元の顔も分からないほど肉が削がれた、ワインレッドのワンピースらしきものを纏った女性の遺体だった。    
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