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  「ひ……っ!キャアアアアアアッ!!」    あまりに凄惨な光景に麻衣美は全身を引きつらせて飛び退いた、つもりだった。  一刻も早く、この場から逃れたい。  なのにその気持ちとは裏腹に、要二朗の拘束が解けず、動くことが出来なかった。  こんな時に、こんな場所で、なぜ愛撫が続けられるのか、意味が分からない。    ほぼ肉塊と化している女性は手錠と首輪に繋がれていて、恐らく動けない状態にされてから滅多刺しにされたに違いなかった。  ワインレッドのワンピース、そして忘れるに忘れられない編み上げブーツを身に着けていることから、それがミカコであることは100%間違いない。    麻衣美は死体を目にしたのは初めてで、しかもこれほどまでに惨いものを目の前にして耐えられる精神は持ち合わせていなかった。    ミカコの眼球はどこか恨めし気にこちらを見つめているように見えて、どうにもセックスに興じている場合ではない気がする。  と言うか、全くそんな場合ではない。    全身に鳥肌が立って強張り、性欲どうこうが燃え上がるはずもないのに、要二朗は麻衣美の左の乳房を掻き抱き、右の乳首を口に含んで欲情し続けている。  
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