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 要二朗の頬にストレートを送り込もうとしたが、掠っただけで簡単に躱されてしまった。  逆に髪の毛を鷲掴みにされ、覗き込むように眼前で凄まれる。 「……所詮お前は非力な女なんだよ。女は女らしく、守ってくれる男を選びな。僕の麻衣美に近づくな……お前は本当に邪魔な女だ」 「何ですって……こぉのっ!!」  ゴッ!!  カッとなった有希は渾身の力を込めて要二朗に頭突きを繰り出した。  不意打ちの頭突きに要二朗の半身はくらりとよろめく。  好機とばかりに有希はパンチをお見舞いしようとしたが、その腕は鋭利な刃先によって妨害された。有希の右腕の、手首から肘先に、赤く長い直線が刻まれる。 「きゃあっ!!」  身をつんざくような痛みに有希は悲鳴を上げ、腕を押さえて顔を歪めた。  その瞬間にも要二朗は手を休めない。  そもそも意気込みが、覚悟が違う。  人を殺す覚悟、痛めつける覚悟が違うのだ。  要二朗は有希を押し倒し、ブラを完全に除けると、その右の乳房にナイフを当てた。 「あぁ――――……っ!」  まるで皮膚に生えたイボを抉り出すように、半球の側面に刃を深く突き刺す。  拷問とも取れる暴挙に、有希が断末魔の叫びを上げる。  有希の乳房に引かれる赤い線を見て、麻衣美もまた卒倒を堪えた絶叫を上げた。
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