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 ガラッと引き戸を勢いよく開けて、麻衣美は病室に飛び込んだ。  そこにはベッドを斜めに起こしてこちらを微笑む有希の姿があった。  いつものあの、輝くような明るい笑顔。  麻衣美は抱き付きたい衝動を寸前で抑え、その足元で泣き崩れた。 「うわあ――――ん!有希先輩ぃぃぃ……良かったぁ、死んでなくてぇ!」 「はいはい、アンタもね、大丈夫?身体。あ、髪切ったのね。ふわふわミディアムボブ、またこれも似合うわね」 「私はもう、何ともないですぅ、髪はその……ミカコさんに燃やされて……結構こげちゃったので。それより有希先輩……」  痛々しいほど、有希の上半身には包帯が巻きつけられていた。  頭にも巻かれている。顔にはまだハッキリとした紫の打撲痕があった。  傍らには三本ぶら下がった点滴の管。  声とは裏腹に、蒼白い肌、こけた頬。  その姿を目に入れただけで、涙が止まらない。  覚悟はしていたけれど、やはり有希は死の淵を彷徨ったのだ、それくらい大変な危機的な状態であったのだと実際来てみて痛感した。
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